トマトが赤くなるひみつとおいしい食べごろのお話です

トマトの色づきは、成長過程で変わる自然なサインです。青々とした未熟果が少しずつオレンジ、そして赤へと変わっていくのは、温度と日照の影響を受けながら果実が成熟していくため。特に重要なのが「積算温度」です。これは果実が花を咲かせてから収穫適期になるまでに必要な温度の合計のことで、この数値が一定に達すると熟成が進み、クロロフィル(葉緑素)が分解され、代わりにカロテノイド系の色素が増加して赤やオレンジに変化します。

大玉トマトの場合、積算温度に達するまでの時間がやや長いため、全体が赤くなるまでに日数がかかりますが、その分じっくり熟した果実は甘みと旨みがしっかりと乗ります。お尻の部分まで赤く色づき、全体が均一な色合いになったら食べごろのサインです。まだ青みが残っているものは、常温で追熟させればクロロフィルが分解されて甘みが増していきます。

トマトの色づきは、見た目の変化だけでなく、果実の栄養や味わいが高まっている証拠でもあります。赤い色素であるリコピンは抗酸化作用を持ち、夏の紫外線ダメージや疲労の蓄積にも心強い栄養素。鮮やかに色づいた完熟トマトは、食卓の彩りを豊かにしながら体にもやさしい旬の恵みといえます。

 

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